参院で27日、歳入関連の地方税関連4法案(「地方税法等の一部を改正する法律案」「特別法人事業及び特別法人事業譲与税に関する法律案」「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案」「地方交付税法等の一部を改正する法律案」)の討論・採決が行われ、党として賛成した「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案」を除く3法案について、反対討論に立った。わたしが3法案に反対する主な理由として、次の4点を挙げた。
(1)国が果たすべき責任を放棄していること
そもそも、地方公共団体の財源不足は地方交付税でしっかりと手当てすべきであり、法定率の引上げを中心とする地方交付税法の改正で対処すべきだ。しかるに、2019年度においても法定率の引き上げは実現しなかった。
地方には依然として4兆4101億円もの財源不足があり、十分な地方交付税総額を確保できない現状は、地方に対する国の責任放棄以外の何ものでもない。
(2)地域主権に逆行する政府の姿勢
幼児教育の無償化の財源に関し、初年度となる19年度は全額を国費で対応するとしたが、その後は、消費税率10%への引き上げによる増収分が充てられる。このような重大な方針転換は、国と地方が十分な協議を重ねた上で決定すべきものである。あるべきプロセスを省略し、国の意向を地方に押しつける今回の進め方は地方軽視そのものだ。
またふるさと納税に関しては、国による制度設計の不備が返礼品競争を招いたという指摘から目を背け、国が地方の自由度を縛る顛末(てんまつ)に至ったことは、国と地方の関係に禍根を残す法改正だ。
(3)軽減税率の導入と一体化した消費税率の引き上げが前提となっていること
著しい混乱が懸念される軽減税率の導入は許されるものではなく、給付付き税額控除で対応すべき。
(4)自動車関係諸税の改悪
地方ほど生活必需品としての性格が強まる自動車に対しては、ユーザー負担を大幅に軽減し、家計を支援する必要がある。
税体系の簡素化とユーザー負担軽減の観点で言えば道半ばであるにもかかわらず、与党の税制改正大綱は、車体課税の見直しについて「今般の措置をもって最終的な結論とする」などとして片付けている。